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妊娠は母体にさまざまな変化をもたらします。非妊娠時と同じような生活をしていても、体の中では異変が起きている・・なんていうこともあります。

妊娠すると弱い部分に症状が出るといわれます。妊娠糖尿病もまたそのひとつであり、年齢や環境要因、遺伝などにより発症する人が増えているようです。今回はその理由と対策についてご紹介します。

糖尿病と妊娠糖尿病は別物

妊娠糖尿病とはいわば「糖尿病の予備軍」です。糖尿病に至る数値ではないものの、妊娠時には胎児に影響を及ぼす可能性があるためそう呼ばれます。

しかし、もともと糖尿病だったことに気が付かないまま妊娠をした場合は別です。「糖尿病合併妊娠」といい、この場合胎児の臓器などが形成される妊娠初期にも糖代謝異常を起こしている状態のため、胎児の奇形をもたらしたり、巨大時になってしまうリスクがあります。

どうして妊娠糖尿病になる?

糖分はインスリンというホルモンで分解されエネルギーに代わり、通常はこのインスリンが正常に分泌されることで糖の代謝を行っています。

胎児はブドウ糖を栄養にして成長するため、積極的に糖を胎児へ送りたいのです。そのため妊娠時にはインスリンに対抗するホルモンが胎盤から分泌され、糖の分解がしにくい状態になるのです。これによって非妊娠時よりも血糖値が上がりやすくなります。この働きが過度に行われてしまうと、妊娠糖尿病になります。

妊娠糖尿病の検査はどんなもの?

妊娠初期・・・随時血糖検査

妊娠中期・・・随時血糖検査または※経口ブドウ糖負荷試験

※50gGCT(グルコースチャレンジテスト)ともいい、50gのブドウ糖(三ツ矢サイダーを甘くした炭酸ジュースにようなもの)を飲み、一時間後に採血をして血糖値を測る

検査で基準値を超える数値が出た場合、75gブドウ糖負荷試験を行う。これはまず空腹時に採血をし、その後75gのブドウ糖を飲み一時間後に採血、さらにその一時間後に採血と、合計3回採血をし血糖値を測る。

妊娠糖尿病と診断される人が増えている?

平成22年に妊娠糖尿病の診断基準が厳しくなったことが挙げられます。改定前は、75gブドウ糖負荷試験の際に3回測る血糖値のうち2項目が基準値を超えていた場合、妊娠糖尿病と診断されていました。が、改定後には1項目でも超えた場合にアウトなのです。

<判断数値>

空腹時血糖値≧92mg/dl

1時間後血糖値≧180mg/dl

2時間後血糖値≧153mg/dl

このことによって患者が3~4倍になっているようです。全妊婦の3%~12%といわれ、およそ8人に一人の割合で診断される可能性があります。

どんな人がかかりやすい?

  • 親族に糖尿病患者がいる
  • 肥満体質・食べ過ぎ
  • 急激な体重増加をした
  • 高齢出産である
  • 巨大時の出産経験あり

甘いものの食べ過ぎでなる・・というイメージの強い糖尿病ですが、その人の体質が大きく関わってくるため、細身だったり食生活を気をつけていた人が診断されることもあります。逆に甘いものを摂取していても平気な人もいるのです。これらのチェック項目に該当する方は人一倍気をつけなければならないのです。

どんな症状が出るの?

のどが渇きやすい・疲れやすい・頻尿になる・・・など妊娠時に出る症状とかぶっているため自覚症状が無いことが多いのです。そのため健診時の検査をしっかり行う必要性があります。

妊娠糖尿病のリスク

では実際に診断されてしまった場合、どのような影響があるのでしょうか。

胎児への影響

  • 巨大児になることによる難産
  • 低出生体重児
  • 先天性奇形
  • 出生後低血糖・呼吸困難

母体への影響

  • 流産・早産になる可能性
  • 妊娠中毒症などの合併症
  • 難産(巨大児により帝王切開になる可能性も)

治療法・予防はどんなもの?

食事療法

  • 炭水化物は糖質が多いので控えめにし、野菜中心の食事にする。
  • 食事を4~6回と分食にし、一度に高カロリー摂取をしない。

運動療法

  • ウォーキング
  • マタニティヨガなど適度な運動

薬物(インスリン)療法

上記の療法でも改善されない場合は、インスリン投与をして糖の分解を促進します。

摂取すべき・控えるべき食べ物は?

糖が多いことによって引き起こされるものなので、糖質の高い食べ物は摂取しすぎに注意です。

糖質の高いたべもの

  • 炭水化物(ご飯・麺類・パンなど)
  • イモ類(じゃがいも・かぼちゃ・さつまいもなど)
  • 砂糖を多く含むもの(スイーツ・お菓子・ジュースなど)
  • 果物

おすすめのたべもの

  • 野菜類(特にきのこ・ほうれん草などの葉モノ野菜)
  • 魚(加熱されたもの)
  • 大豆製品(豆腐・納豆)

糖質が高いとはいえ、炭水化物やイモ類などは必要な栄養源でもありますので、あくまでも摂取しすぎは避けるという意識で、多くの品目をまんべんなく食べることが必要です。

洋食は品目が偏りがちで炭水化物が多めなので、和食中心の食生活を心掛けたいですね。

出産とともに治る?

前述したように、妊娠時には胎盤からインスリンに対抗するホルモンが出ることで血糖値が高くなります。

つまり、出産して胎盤が排出されてしまえば妊娠糖尿病は治るのです。ただ、一度妊娠糖尿病にかかってしまうとその後糖尿病を発症するリスクが高くなるといわれています。診断された方はまめに健診を受け、食生活にも気を付ける必要があります。

さいごに

今回この記事を書くに至ったのは、筆者が妊婦健診時の経口ブドウ糖負荷試験に引っかかり、再検査を行うことになったのがきっかけでした。普段割と食べたいものは食べてしまっていましたが、それでも食べ過ぎているという自覚は無く、運動も積極的に行っていた中での結果だったので非常に困惑しました。

再検査の結果は幸い陰性だったものの、親族に糖尿病を患っている人がいるため今回のことは自分にとっていい戒めとなり、改めて妊娠糖尿病について知る機会となりました。妊娠をすると、まさかという事態がいつ起きるか分かりません。

知識を持ってできる対策はしておく・・それが悔いなき妊婦生活を過ごす上で重要なことだと痛感しました。

最後までお読み頂きありがとうございました。よい妊婦ライフをおすごしください。

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